87人が本棚に入れています
本棚に追加
『分かりました。そしてあなたの登場ですね、山城さん。素直に真実を話して下さい。』
『あ、はい。あのぉ、僕は彼女を・・・千春を殺してなんかいません。』
『気安く千春の名前を呼ばないでよ!!』
結城さんが激しく言い放った。
『まぁまぁ。では確認していこう。
まず君は被害者のストーカーだと言われているがどうかな?』
率直に先輩は聞いた。
『ストーカー?僕はいつも彼女を見守っていただけだよ。いつも僕を待ってくれているんだ。だからどこにも出かけたりしないんだよ。ただ、恥かしがり屋だからいつも彼女はそっけない態度だったけど、僕は彼女の気持ちをちゃんと受け止めていたよ。』
『・・・・・』
先輩は絶句した。僕も開いた口がふさがらない。どうやら彼がストーカーだったことは火を見るより明らかだ。
『では、君は今日もここへ来たんだね。』
気を取りなおして先輩は聞く。
『もちろんさ。で、今日こそは頑張って心を開いてもらう為部屋に入っちゃおうと計画していたのさ。だからカナヅチも持ってきた。
窓際まで寄って僕はカナヅチで窓を小さく割った。手を突っ込んで鍵を外し、窓を持って開けたんだ。で、レースのカーテンを開けた瞬間、すごい悲鳴が聞こえたんだ・・・すごく驚いて・・・部屋を見ると・・・彼女が・・・千春が倒れて・・・部屋がぐちゃぐちゃで・・・怖くなって走って逃げたんだ・・・。』
最初のコメントを投稿しよう!