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「まあ、そんな事を考えたところで、ボクにはなんの関係も無いんだけどね」
呟いて、一息。
ふうむ……
好奇心で屋上まで来てみたはいいけれど、予想通りというか期待外れというか……相変わらず何も無いところだね。
強いて言うなら、入口(出口?)のとこに貼ってある立入禁止の貼り紙くらいかな?
「……眺めは、良いんだけどねぇ」
ぐるりと辺りを見回す。
田舎故だからか、高い建物の少ないせいで自分の目線よりも高いモノを山以外に見つけられない。
……というか、この校舎が唯一の屋上を備えた建物だった。
あとは民間ばっかり。
うん。
味気ない景色だね。
風は気持ちいいけど。
「――いい風ですね」
「うん…………うん?」
頷いて、はてと考える。
今の声は誰だろうね?
ボクはここに、一人で来たのだけれど……?
「でも、ここは立入禁止のはずですよ」
「そう言うキミは?」
言いながら、声の方へ振り返る。
少女が、いた。
何故か制服が違う。転校生?
「私は許可を頂きましたから」
「そうかい。ボクは貰ってないよ。許可」
ああいや、違う。
この制服は近くの中学校のモノだ。
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