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「……兄は……兄は、どんな人だったんですか?」
「それはキミの方がよくわかっているんじゃない?なにせ、妹だったんだから」
「そうじゃなくって、その……学校の中での兄、です」
「学校の中」
「……正直、わからないんです。どうして兄が自殺なんてしたのか。……私の前では、自殺する前の日までいつも通りの様子でした」
「……」
「なのに、朝起きて、兄の部屋に行ったらもう……居なく……て…………」
そのまま、ぐすぐすと嗚咽を漏らしだす。
どうも、色々と悲しいことを思い出してしまったみたいだ。
さあて……どうしたものか……
「……君、今日学校は?」
「え……?」
うるうると涙を湛えた瞳でボクを見る。
「学校。今日は平日だから、授業があっているんじゃないの?」
「あ、いえ。喪中ですから、学校は休んでます」
喪中にこんなとこ来てんのか、この娘……
「じゃあ、とりあえず今日は空いてるわけだね?」
「は、はい……そうです」
「よし。それなら行こうか」
「え?あの……?」
「んん?イヤ?」
「いえ、そうじゃなくて……いったいどこへ?」
「どこへって、そりゃあ勿論、キミのお兄さんのお友達のところへ、だよ」
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