悲劇の始まり

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行為の後、私達は必ず裸のままじゃれ合う。 余韻を楽しむかのように。 海斗の腕枕で心地良くなりながら色々な話しをするのだ。 「今日お仕事どうだった?疲れた?」 「…最近入った社員が大きなミスをして…」 海斗は私のあの事件以降、会社での話しもしてくれるようになった。 それがなんだか嬉しい。 「でも疲れてはいない。あのくらいの処理なら朝飯前だな。」 「え?タフだねぇもう年なのに。」 私が言うと、海斗が意地悪く笑う。 「年?今夜何回したか、言ってみるか?」 ボッ!! 一気に私の顔が熱くなるのが分かった。 「す…すいません失言でした…。」 「分かれば良いんだ分かれば。」 今夜は三回もしてしまった。 結婚して11年、三人の子供もいるというのに…海斗は毎晩私を求めてくれる。 しかも二回以上は必ずするのだ。 女としては…とても幸せな事。 いつまでも求めてもらえるって、母親とか妻とか関係なく、女として見てくれてるんだって実感する事ができる。 「もうすぐ子供達夏休みだね。」 「ああ…もうそんな時期か。里海も4才になったし、今年はどこか旅行にでも行くか?」 「本当に!?やったぁ!」 旅行なんて久しぶりで、海斗の言葉に思わずはしゃいでしまった。4年前に無事産まれた長女の里海(さとみ)は、少しおませだがすくすく育っている。
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