悲劇の始まり

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「え!?旅行!?」 小学6年生になり、身長もぐんと伸びた遊真が目を輝かせる。 「やった~!ハワイハワイ!!」 ハワイの場所も知らない斗真までもが、リビングを飛び回って喜んだ。 「こらこら、ハワイは無理だ。里海はまだ4才だろ?沖縄にでも行こうか。」 海斗に言われ、斗真ががっくりと肩を落とす。 「斗真、沖縄はすごくキレイな所だよ?暖かくて、海も透き通ってるんだから!」 すかさずフォローをするあたり、遊真はよくできた子だ。 斗真は「ならいっか!」とまた床を飛び回る。 「斗真、ありがとうね。」 「ううん。沖縄、楽しみだねママ!」 にこっと笑う遊真に笑い返し、私は密かに胸を踊らせた。 沖縄かぁ。 沖縄には一度も行った事がない。 でもテレビであのキレイな風景が流れる度、行きたいなと思っていた。 今年の夏は、とても楽しいものになりそう! その時の私は、これから起こる悲劇など…考えもしなかった。
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