神隠し?馬鹿じゃねえの?

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今日はこれで学校も終わり。 もうすぐ夏休みだと考えると、自然とワクワクしてくる! 下駄箱の所で、掃除当番に当たってしまった哀れな春樹を待っていると、美咲がやってきた。 どうやら今日は生徒会はないらしい。 「雅巳、春樹が先に行っててだって。とりあえずなんだし行こ」 「う…うん」 春樹が先に行っててなんて言うとは…珍しいな… --- -- - 「でさぁ、そこでがつんと言ってやったのよ。弱いくせにいきがんな!ってね」 「へぇ〰」 女友達がほぼいない俺でも、美咲にだけは素直に喋られる。確かに頼りにもなる。 昔小学の時虐められてた時も、美咲は助けてくれた。どれだけ嬉しかったか… まあ小学生とはいえ女の子に守られたわけだから、あまり言いたくはないんだが。 「あっ」 美咲が左を見ていたので、俺も見てみた。 「小瀬野天満宮」 学校から約10分程歩いた所にある天満宮だ。 もっとも、天満宮といってもさして大きいものではなく、あまり目立つものでもないので、誰もきにかけていない。 ただ、…昔からこの天満宮には言い伝えがあって、 「待ち人現れる時、扉開かれん」 とかなんとかこうとか。 まあよくわかんない所だな。 「どしたの美咲?」 「いやね、この前隣町の女の子が行方不明になっちゃったじゃない」 「あぁ…」 確か二週間程前に女の子が一人行方不明になったって事件があったんだっけ。 そんで警察は誘拐事件として捜査しているみたいなんだけど、何故か最後の目撃情報が隣町にあるこの神社で、見たのは神主さんなんだとか。 「朝の4時に一人女の子がいるもんですからさすがにおかしいと思って、声をかけに行こうとしたんです。 そ…そしたら、さっきまでいたはずの女の子が…」 とかなんとかテレビで言ってたっけ。 そんなこんなで一応捜査もしたんだけど、監視カメラには女の子なんて写ってなかったし、足跡の痕跡も見つからなかったってことから、神主さんの見間違いかなんかだろうということで引き上げられちゃったんだっけかな。 まあ神主さんは今もずっと言い張ってるけどね。
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