プロローグⅠ

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「僕はマギルトゥムの英雄になる!」 シーン… ドッ ワハハハ 「バッカ、じゃねぇの!」 静まり返った村の広場に笑いが起こる。 「魔法を一切使えないお前がどうやって英雄になるんだよ。」 金髪で蒼眼の少年が言う。 「なっ、魔法なんて使えなくても英雄になれるよ!」 黒髪の優しい黒目をした少年が言う。 「はっ、じゃあ俺と勝負しろよ!英雄は誰よりも強くなくちゃなれないだろ!」 「いいよ!やってやろうじゃないか!」 「お前じゃ勝てねぇよ!クロ!ルイはなぁ、もう10個以上の魔法を使えるんだぞ!」 「そうだぞ、止めとけって!」 「おちこぼれじゃムリムリ」 周りの子ども達が黒髪の少年クロを止める。 「うるさい!やってみなくちゃ分かんないだろ!」 「ごちゃごちゃ言ってないで、かかってこいよ。」 金髪の少年ルイはクロを挑発した。   「後悔しても知らないからな~!」 クロはルイに体当たりしようと突っ込んだ。 スッ…ドン ルイは軽やかに体当たりをかわして唱えた。 『出でよ赤き閃光(フレイル)』 ボッ 「あち~!!」 クロの背中から小さな火が燃え上がった。 周囲の少年の一人が指を指してクロに言う。 「お~い!ヘナチョコ クロ!水はあっちだぞ!」 クロは慌てて指し示す方向に走って行った。   … ドッ ワハハハ クロが走り去って行ったあと再び村に笑いが起きた。 「いやぁ、いいもの見た。」 「さすが、ルイ!」 「あいつは本当にヘナチョコだな。」 「魔法を一つも使えないくせにルイに挑むなんてバカだろ。」 などと言って村の子ども達は広場から去って行った。 ルイもいなくなった。
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