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「6490。ふぅ。こちらは[しんかい6500]です。博士、6490mです。」
俺は白川敦 地球内部を研究する小野崎博士の助手をやっている。小野崎博士は5年前に日本列島沈没説を唱えて変人扱いされている博士だ。
「こちらは小野崎だ。6490mの海底の温度を調べてくれ。」
「了解しました。エンジン停止。照明オン。温度サーチャー起動。…………温度は約2℃。温度は約2℃。」
「分かった。今引き上げる。」
「わかりました。照明オフ。温度サーチャー停止。」
私は久しぶりに見た海底に別れを告げゆっくり引き上げられる
「よく戻ったな。海底の温度が2℃。」
「えぇ。」
「これからがピークだな。恐らく明日は4~7℃の間だな。」
「…と言うことはいよいよ始まったのですね。」
「あぁ。恐らく始まったんだよ。日本列島沈没のカウントダウンが。」
私達はよく行く居酒屋に向かって歩いていた。着いたのは夜8時だ。
「博士。今後どうすれば日本は助かるんだ?」
「手遅れになる前にプレートを破壊しないと日本は沈む。」
12年前に日本海の真ん中に海れいができ日本は日々日本海溝に向かって進んでいる
「?なんだ。」
「何がです?」
「今揺れ!?」
すぐに大規模な地震が襲ってきたのだ。揺れは約50秒程だった。しかし震源からそう遠くないみたいだ。
「うっ…博士、大丈夫ですか?」
「あぁ大丈夫だ。怪我も無い。それより早く研究所に戻らないと…」
我々は居酒屋を出るとそこには見たことの無い恐ろしい世界が広がっていた。まるで地獄のようだ。あちこちで火災が発生している。「こ、ここが東京の港区だと?」
「いかん。いかん。急いで研究所に行かないと。」
居酒屋と研究所はそう遠くない
「くそ!電力が来ていないだと!」
「博士、今自家発電に切り替えるから…」
ピピピ
ウィーンピピ
<自家発電 切り替え>
「よし!さぁ教えてくれ!さっきの地震は何なのかを!」
「……よし。しんかいは大丈夫だ。」
「!っば、馬鹿な!あり得ない!地震の震源地は東京全体!?」
「博士どう言うことです?東京全体が震源地って」
「熱だ。」
「?」
「今すぐしんかいを出発させろ!早くしないと!」
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