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『まだ見ぬ我が曾孫よ… お前さんが12歳の春、奇妙な現象に会うだろう それは【ラップ現象】といい、一時的に治まるだろうが、それは世界の終わりを知らせる合図なのだ。 この事は私の長い研究で100%起こると分かった。 その時、すぐ旅に出て各地の8つのメロディーを集め、共に旅をする仲間達と山の上で唄うのだ。 この世界を救えるのはお前しかいない。 頼んだぞ……………………【にんてん】 この日記を見ている事を祈って     by ジョージ』 何故かこの部分だけは綺麗に読みとることができた。 パタン… 日記を閉じる カビ臭い埃が僕の前で舞い上がるが、今はそれどころではなかった 僕はしばらくの間立ち留まっていた 頭の中の整理ができない 「僕が世界を救う…? 共に旅をする仲間達…? 8つの…メロディー…?」 意味がよくわからない…が 一つだけ分かることがある 嘘ではないようだ ラップ現象について80年以上も前から予言している 僕の名前まで知っている となると、世界の終わりが来るというのも真実であろう。 でも… (突然旅に出ろと言われても…家を離れる訳にもいかないし 第一、この事を信じる人がいるのかな…) 悩みながら地下室から出る。 バタン 「あら、にんてん。ひいおじいさんの日記は見つかった?」 「見つけた …ママ。 もし……もしもだけど… 僕が今すぐ旅に出るとしたら、賛成してくれる?」 一瞬だけ、ママは目を見開いた しかし、すぐにいつもの優しい眼差しに戻り、口を開いた 「そうねぇ~。にんてんが望むのなら、ママは反対しないわ」 「……そう。 それでね…」 「分かってる。 だいたい言いたいことは分かったわ とても冗談で言っているとは思えないもの」 この時、僕はママにも超能力があるのかと思った 「え…まだ何も…。 …本当に…分かってくれたの?」 「えぇ、もちろん。 にんてんの言いたいことはすぐに分かっちゃう。ママだから、ね。」 なるほど 簡潔で最適な理由だ 「…少し寂しくなるけど…いってらっしゃい。 たまには元気な顔を見せに帰ってきてね」
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