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「うん…
でも家のことは…?」
ドタバタドタ
バタドタバタ
二つの足音がリビングに入ってくる。
「ミミー、ミニー。
なんだ、聴いてたのか…」
「うん、ごめん
盗み聞きする気はなかったんだけど…」
「それでも、あたし達は何か…お兄ちゃんの役に立ちたくて…その…」
「お兄ちゃん、家のことなら私に任せて!」
新しいラケットを振り回して言う
(…なるほど、あの破壊力なら家を守れるな…。)
「お兄ちゃん、荷物番は私に任せて!」
(なるほど、ミニーなら安心して任せられるな)
「……ありがとう。みんな…」
なんだ、僕って結構、周りの人に恵まれているんだな
あまりに身近で、今まで気付かなかった
「…あれ?お兄ちゃんもしかして照れてるの?」
「う…うるさい!」
「あはは、照れてる照れてる、顔真っ赤っかになってる」
「だ…だから違うってば!」
そんななか、ママが手を叩いて言った
「…それじゃあお昼は、にんてんの旅の幸運を祈願して『天蕎麦』にしましょう!」
「ホントに!?」
ズルズ~ルズル…
…やはり美味い。
ママの作った天蕎麦は世界一だ。
どんなときでも幸せになれる
それから少しして…
♪ピンポーン
「こんちは~、ミミガメ宅急便で~す」
「は~い」
判子を持って玄関に行ったママは、小包を持って戻ってきた
「あら…にんてん宛ての小包よ
しかも…あら、珍しい
パパからだわ。」
手渡された小包は意外と軽かった
何だろう?
中にはキャッシュカードと手紙が入っていた。
『そうだ、思い出した。
父さん…お前のおじいさんから言われててな、「孫(にんてん)がもしも旅に出たいと言い出したら、温かく見送ること。」
だってさ。
昨日の電話の雰囲気だと、そんな気がしてな。
そのためにこのキャッシュカードを送る。最初は少ないが、パパの給料をいれていく。
…な~に、オレの給料でにんてんが旅を楽しめたら、容易いもんだ。それじゃあがんばれよ。
PS, にんてんは小さい頃から不思議な力を使えるだろう。それをうまく活用すればいいんじゃないのか?)
パパも分かってくれているようだ
それに…僕の不思議な力はこの旅のためにあるのかな…
よし、旅の準備を始めよう!
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