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とりあえず、このキャッシュカードは持っていこう。
それに昨日みたいな奴らと旅先で会うかもしれないから、お気に入りの使い古したバットを持っていこう
それから、着替えと食料を持って。
あとは地図を入れてっと…
よし、
だいたいこんなもんかな?
いつものバックに入れて準備完了!
一階に降りると
一瞬だけハンカチで目を拭うママが見えたけど…見なかったことにしよう
いわゆる旅立ちの時
「それじゃあ……いってきます!」
「いってらっしゃい!
怪我には十分気をつけるのよ!」
「いってらっしゃーい!
たまには帰ってきてね~」
〔…ひとつアドバイスだ
なにかあったら、こまめにチェックするといいぞ〕
「…あら?
ミック、なんで家の中にいるの?」
「いいじゃない、今くらい」
「そうね」
僕はドアを開ける。
今日もいい天気だ。
手を振る3人と庭の一匹の姿が次第に小さくなっていった。
小さな少年は歩み始める…
「…お兄ちゃ~ん!
財布!財布忘れてるよ!」
…あちゃ~
カッコ良くキメたかったけど………財布、すっかり忘れてた
後ろから走ってきたミニーは、僕に財布を手渡した
「はぁ…はぁ…
…もう、しっかりしてよね!」
「ハハ、ついうっかり
サンキュー」
「まったく…」
ミニーは半分呆れて、半分笑っていた
今度こそ
小さな少年は歩み始める…
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