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世界を救う旅…
…とは言ったものの、まだ家を出てから20分ほどしかたっていないため、実感が湧かない。
しかも、今にんてんが歩いているのは、つい最近まで友達と野球をしていた空き地だ
真昼であるにもかかわらず、珍しく誰もいなかった。
「のどかだなぁ…」
ついにんてんはこの言葉を発してしまったが、すぐに自分の旅の目的を思い出した。
(そうだった。世界の終わりが近いのに何をのんきなことを言ってるんだ。)
自分で自分に言い聞かせる。
(…とはいっても、8つのメロディーなんてどこにあるんだろう)
悩んでいるうちに
1羽のカラスがこちらを見ていた
(そういえばパパは手紙で超能力をうまくつかえって言ってたな…
少し練習するか。)
そう思い、先ほどのカラスに話し掛けた。
カラスはゆっくり近づいてきて、僕の肩に乗った。
が、この時にんてんは違和感を感じた。
(あれ……心が読めない…?)
首を傾げる僕を気にせず
カラスはリュックをつつく
「お腹すいてるのか?……ほら」
カラスは僕が手にとったパンをすぐに奪い、飛んで行った
(…まぁ、こんなカラスもいるだろう)
開き直って次々と動物達に会話を試みる
しかし、ムカデにも野良犬にもテレパシーが通用しなかった。
「今日は調子が悪いのかなぁ…」
そう信じたかった
しかしある瞬間
違和感は寒気へと変わった
彼らは皆、僕を睨んでいる…?
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