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気が付いた時には、視界にいたすべての生き物が襲いかかって来た。
ムカデ、野良犬、カラス、ヘビ…
「わわわわ…」
にんてんは一歩後ずさりし、逃げ出した
(どうしてだろう…今までこんなこと無かったのに…)
幸運にも、僕は大人を見かけ、すぐに助けを求めた
「すいません。助けてくだ…」
にんてんは言葉を詰まらせる
このおじさんも目がおかしい。
先ほどの動物達と同じ目をしている
(……まさか…)
期待(?)に応えるかのように、おじさんも雄叫びをあげた
「うえっ!?」
またまた逃げる。
(いったい、どうなってるんだ…?
でも、僕も逃げてばかりではいられない。いつ家に被害がでるか分からない…)
振り向き、すぐにバットを構える。
が…、
もちろん、にんてんは人間にも動物に対してもバットを向けたことはない
いくら自分を襲ってきたとしても、生き物であることに変わりはない
痛いだろうな…
ためらっているうちに、おじさんからあいさつ代わりの容赦ない攻撃
「うわっとと。」
おじさんは箒を片っ端に振り回してくる
「…この~!」
………だめだ。やっぱり殴れない。
今、にんてんは、非常に複雑な葛藤がおきている
しかし攻撃しない限り、この戦いは終わらない
逆に、相手との力の差を考慮すると、こちらが怪我をする可能性もある
(どうすればいいんだ…)
そういえば…
昨日、キューピーを倒したときに、何かが頭の中を……
迷っている暇はなかった
逃げていたにんてんは振り返り
おじさんに向かって、手をかざした
おじさんは怯んだのか、足を止める
(どうか、傷つけないで!)
にんてんは脳裏に思い浮かんだ通りの
身振り手振りをしてみた
えいっ!
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