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次に目を覚ました時、俺は驚愕した。何故ならば普通では有り得ない状況に陥っていたから。
瑞希さんが営む酒屋の奥の部屋なのか、それとも全く違う場所の部屋なのか全く区別が付かない。
そんな事は問題じゃない。
俺が驚愕したのは両手首に装着された銀色に輝く二本の円形の鉄。そしてそれを繋ぐように一本の鎖が付属している。
どっからどう見ても手錠ですね本当にありがとうございました。
「……壊せないか、流石に」
俺はベッドに腰掛けられ、手錠の鎖部分に新たな鎖が掛けられて、万歳をするような状態。
両手が塞がっているが、それだけで両足や体は捕縛されていない。
十中八九瑞希さんの仕業だが、その本人はどこにも居なかった。
監禁…いや、監禁ならマスターが何かしら最初の時点で感づくはず。
瑞希さんはマスターをも欺き、この行動に出た……まさか。
マスターは、喫茶店を営む店長であるのだが、その他にこの街のありとあらゆる事を知っている。
昔、名のある情報屋をしていたらしく、その手のコネやら何やらがある…と本人から聞いた。
そのマスターの友人でもある瑞希さんも、何かしらのコネなどがあるのだろうか…?
「心外ですねぇ。私はごく普通の女の子ですよ?」
いつの間にか、俺の真隣で呟く瑞希さんが居た。
微塵の気配も感じなかった。
一体何が目的だ…!
「睦月君と、既成事実を作りに来たのが目的です」
「冗談」
「冗談ではありませんよ?私は本気ですが…」
手錠をさせた時点で本気か。
…くそ、逃げられない。
何度も両手をガシャガシャと動かすが、鋼鉄の鎖は千切れるはずが無い。それは徒労に終わるのみだった。
三本目の酒を飲んだ時の酔いが、完全に体に回ってしまったようで、動きにキレがない。
「ここは完全防音で、更にはこの酒屋に近付く人はほとんど居ません。マスターでさえ、この領域は干渉できません」
「…ふざけるな。こんな事をして、後でどうなっても知らないぞ」
「大丈夫ですよー。睦月君は私の虜になるまでずーっとずーっと居ますから」
ヤンデレ怖いぞヤンデレ。

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