ティアラの行方

仮面夫婦

馬車が屋敷の敷地内へと入る。セイルはすぐさまいつもと違う馬がつながれていることに気づいた。
セレイアは緊張から解き放たれて、セイルの腕に半ばもたれかかるようにして寝息を立てている。
白馬、カイトか。
セイルは、セレイアを抱き起こして馬車から降りると屋敷を見やった。二階のバルコニーには、冷たい目をしたシエナがいて、セイルを見下ろすなり一礼し屋敷の中に消えた。