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扉が開く。カイトはうっすらと笑んだ。すぐに部屋に差し込む光が逆光となり彼の表情を隠す。
「わざわざ北から西の辺境へ遣いもよこさずにどうした?」
セレイアを起こさないように下ろして、セイルはそう静かに言った。
「これでも俺もグレンドルフ猊下に目付役を賜っているんだぜ?セレイアに会いにくるのに理由なんていらねぇだろ。」
セイルはセレイアを連れ帰った。セレイアの姉サモネアは自宅で貴族達の薫陶を受けた。
「なるほど。お前は私がセレイアを独占しているというのだな。」
セイルが苦笑って背を向ける。カイトは物わかりがいいなと手を振った。
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