第一章~start~

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(俺何してたんだろう……) 息を凝らして見ていた俺はとても疲れた。 トイレを出て、遊園地の出口に向かい2人と合流した。 「遅すぎだよぉ」 「まさかぁ、小便とか言って実はあっちか?」 龍がそういう系のことを言うと妙にリアルに思えてしかたがない…… 「本当に悪かった、ごめん」 俺は両手を顔の前で合わせ、頭を深く下げて謝る。 「しょうがないなぁ、それじゃ帰るか」 そういって、俺たちは出口のゲートを通ろうとした。 俺はズボンのポケットから携帯を取り出そうと思い、手で探ったが、いくら探ってみてもそれの感触がしない。 嫌な予感がして中身をすべて出してみる。 (やっぱり……) 案の定、そこに携帯はなかった。 俺は舌打ちをして、どこで落としたのか考えた…… 「ごめん……、携帯落としちゃった……」 「マジかよ、颯太は本当にどんくさいよな」 俺は龍に言われて少し頭にきたが本当のことなので言い返せなかった。 「本当にごめん! 後から追いつくから先に行ってて」 龍と彩乃は首を縦に振り、俺に背を向けて歩きだす。 俺は2人が遠ざかるの見て、ダッシュでトイレに向かった。 (絶対あの時だぁ……、ポケットからハンカチ取り出したとき、じいさんのせいで携帯落としたのに気がつかなかったんだなぁ……) 俺はまた舌打ちをして、全力で走った。 あのトイレに……
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