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俺は鏡の切れ目に映ったゆっくりと開くドアを横目で見る。
3つある個室トイレの一番奥を……
だが、いくら待っても人が出てこないので少し変に思い、声をかけてみる。
「すいません、誰かいますか……?」
俺は恐る恐る聞いてみる。トイレには俺自身の声だけが響いた。
(おかしいなぁ……、誰もいないはずがないんだけど……)
俺は腕を組み、もう少し待ってみる。
俺は先に行った2人に追い付きたかったので、そろそろ待てなくなり、中を覗いた。
「あの、いるなら返事してもら……え……」
俺は唖然とした。
そこには誰もおらず、ただただ便器の水が流れ続けているだけである。
俺が中を見渡していると、フタが閉じた便器の上に置いてある黒色の携帯電話に気付く。
「これ俺のじゃん」
咄嗟に声がでてしまった。
(なんでこんなとこに……)
俺は不思議に思ったが、2人のことを思い出し、トイレを出ることにした。
開いていた個室トイレのドアを閉め、鏡の前を通り過ぎようとした時……
俺は鏡を横目で見てしまった……
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