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そこにはいるはずのないものが鏡に映っていたのだ……
鏡に映ったその場所は先ほどまで俺がいた場所。
すなわち、そこには誰もいないはず……
俺は先ほどまで自分がいたとこを見るが誰もいない。
だが、鏡には確かに映っているのだ……
白い顔に浮かぶ真っ赤な唇を微笑ませている“アイツ”の姿が……
俺は恐怖のあまり頭の中が真っ白になっていた。
気がつけば遊園地の出口に来ていた。
息を切らし、整えた髪をむしゃくしゃにかき回し、混乱していた。
(なんなんだよ……、なんで、なんで見えないんだよ……)
俺はあまりの恐怖に2人のことなど忘れていて、家に急いで帰った。
俺は思ったのだ……
『あのじいさんが出てきた時、“アイツ”はすでにいたのではないか』と……
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