第一章~start~

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そこにはいるはずのないものが鏡に映っていたのだ…… 鏡に映ったその場所は先ほどまで俺がいた場所。 すなわち、そこには誰もいないはず…… 俺は先ほどまで自分がいたとこを見るが誰もいない。 だが、鏡には確かに映っているのだ…… 白い顔に浮かぶ真っ赤な唇を微笑ませている“アイツ”の姿が…… 俺は恐怖のあまり頭の中が真っ白になっていた。 気がつけば遊園地の出口に来ていた。 息を切らし、整えた髪をむしゃくしゃにかき回し、混乱していた。 (なんなんだよ……、なんで、なんで見えないんだよ……) 俺はあまりの恐怖に2人のことなど忘れていて、家に急いで帰った。 俺は思ったのだ…… 『あのじいさんが出てきた時、“アイツ”はすでにいたのではないか』と……
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