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──午後の練習も終わり、俺は体育館に誰もいなくなるのを待っていた。
「颯太頑張れよ」
「後で教えてよね」
龍と彩乃はそういって体育館を出た。
静まり返った体育館には俺と雨宮の2人しかいない。
俺と雨宮は目が合ってはそらしというのを何回も続けた。
雨宮は顔を赤らめて言う。
「私、颯太先輩のことがずっと好きでした……。もし……もし良ければ付き合って下さい」
雨宮は長い髪を耳にかけながら言う。
(雨宮可愛いなぁ……)
俺は5分……いや10分は考えただろうか……
答えは決まっているのになかなか口に出せない……
「お、俺も……」
俺は決心した。
「俺も好きだよ! こちらこそよろしく」
その瞬間、雨宮の顔は満面の笑みに変わる。
「今日は一緒に帰ろっか」
「はい……」
雨宮は照れながら言う。
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