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服を着替えて、2人で校門を出ようとした時、俺は思いだした。
「雨宮、悪い! 金曜日に美術室に忘れ物してたんだった。ちょっと行ってくるから待っててくれるか?」
「はい」
俺は全力で美術室まで走る。
長い階段、長い廊下……
美術室に着いた頃には息があがっていた。
「はぁ……はぁ……」
ドアを開けると、窓が閉まりきった教室にたまっていた真夏の熱気が俺の身体全体を襲った。
机や椅子はなく、壁には絵画があり、人の銅像がある光景が目にはいった。
俺は教卓に置いてあった自分の筆箱を手に取り部屋を出ようとした……
部屋の片隅に落ちている板のようなものが俺の目に入った。
遠くからではそれがなんなのかわからない俺は近づいて確かめる。
(なんだこれ……)
板を手に取り裏面や表面を見てみるがわからない。
近くに落ちていた小さく異様な形をした板を1つ見つけた……
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