プロローグ

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──皇帝がパズルをやり始めて1週間が経ったとき、兵士があることに気づいた。 今まで1つしかなかったピースが2つに増えていた。 兵士はそれから毎週日曜日に皇帝の護衛をしている間にこっそりパズルを見ていたのだが、日曜日になるとなぜかピースが1つ増えているようである。 ──それから1ヶ月が過ぎたころ 兵士はいつも通り皇帝のいる部屋の外で何者かが侵入しないように警備していた。 空はとっくに暗くなっていて時間はすでに深夜0時前だった。 兵士が部屋の前を歩きながら警備していると、0時ちょうどを知らせる時計の低い音が長い廊下に響きわたる。 時計が鳴り終わると静かになると思っていた兵士は不思議に思った。 どこかで誰かの話し声が聞こえたのです。 兵士がその声のするほうに向かっていると、皇帝のいる部屋にたどり着く。 ドアに片方の耳をあて中の状況を確かめると、皇帝の声が確かにしたのです。 だが、誰と話しているのかわからなかった…… というよりも話し相手の声はまったく聞こえず、皇帝が独り言のように喋っていたのだ。 さすがに変だと思った兵士だが、皇帝に聞く勇気はなくそのまま月日は流れた。
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