夕刻・入浴

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それを眺めていた李々亜が口を開く 「・・・私も、信じるよ、女の子は。」 「・・・恭介だけ・・・」 美弥から解放された春子が言う。 「多少は、信じるわよ。とにかく、これ解いて。」 李々亜が不貞腐れていう。 黒い帯が静かに消える。 李々亜が肩を回しながら立ち上がる。 「・・・ハルに比べたら、たいしたものじゃないわ。」 そう言ってセーラー服を脱ぐ。 キャミソールとスカートになった彼女はどう見ても普通に小学生であった。 ただし、両手の皮膚が真っ黒であることを除けば。 「昔から、これで男どもにいじめられたの。」 そう、小さく言う。 春子のインパクトも大きかったのだが、その手にも十分驚いた。 わざわざダブダブの長袖を着るほど、コンプレックスに感じるのも仕方ないと思えるものだった。
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