最初の晩餐

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『茜財閥社長の娘さんが、2年前下半身不随となっていたことが・・・』 テレビからキャスターの声が響く。 ソファーに座る女子たちは誰も興味を示さず、思い思いのコトをしている。 李々亜は袖の長さの調節に余念がないし、春子は長い髪を乾かすのに必死でドライヤーをかけている。 そんななか、談話室の扉が大きく開く。 扉を開けた恭介はただいまーと適当にいいながら、椅子で扉が閉まらないように固定する。 そして、女子の方に向き直ると、 「荷物すごいからさ、運び込むの手伝ってくんない?」 携帯をいじっていた美弥と糸川姉妹が携帯をスウェットのポケットに突っ込んで立ち上がる。
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