第一章‐不幸の始まり‐

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進八が少し嫌そうに言うと、“左之”があだ名の信撰組十番隊組長原田左之右は、 「いやぁ毎度悪いなぁ~進八ぃ。」 と申し訳無さそうに言った。 「で、今日は何を買い忘れたの?」 「おぉ、流石ぱっつぁん飲み込みが早いなぁ。葱と味噌、買ってきてくれ。至急。」 “ぱっつぁん”と言う余り好きでないあだ名を言われ、進八はムスッとしながら、 「代金は後払いでいいの?」 と、聞き返した。 「おぅ、領収書貰って来てくれ。」 「りょーかい。」 と、進八はやる気の無さそうな返事をすると、台所を出て、自分の自室へ行き買い物かごと財布を持って、屯所を飛び出した。
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