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「ちょい待った」
「やだ」
ほぼ同時に守は拒否を宣言。しかしその拒否権はすでに無効。ユッキーは追いかけて来た。
「え何で付いてくんの?バイバイお疲れサヨナラ」
「進路は?」
最低限かつ最重要。この問いに守はどう出る。
「まだ。」
守も最低限の答えを返す。
「まだって柄沢ね~もう何回も聞いたし。本当に何もないの?やりたいこと。」
「ないねまるっきし。」
「もう、したらどーすんの?何も決めないで行くの?」
「仕方ないんでない?だって、決まんないし。」
「仕方ないじゃないでしょもう~だからとりあえず進路室に行ってさ」
「はいはい分かった行くから」
「って行かないでしょ?実際」
「うん」
「もう!」
どうしようもない守の態度にイライラしながらユッキーは眉間にシワを寄せている。
「大体さぁ進学か就職かどっちかせめてそれぐらい決められないの?」
「それ、だってそれが決まったらあと苦労せんべや大して。」
「じゃあ何?勉強したい?」
「ん~」
「働きたい?」
「ん~」
「じゃあ何?何もしないの?」
「ん~そうだね。うん、何もせんわ。何もしないことを今決めたよ」
「それってニートでしょ?いいのそれで?」
「ニート万歳だべや」
「それって君はいいかもしれないけど親に迷惑かかるんだよ?そうやって生きて行くの?」
「じゃあ死ぬわ。何かいいわもう俺死ぬわ。」
「死ぬとか言わないの!」
「じゃあどうすればいいの?教えてや」
「それは私が決めることじゃないでしょ。柄沢自身が決めることなんだがら。」
「俺自身が決めることなら何であんたそんなにあーしろこーしろ言ってくんの?関係ないじゃんあんたに」
「関係なくないでしょ」
「だから何で?自分自身で決めろとか言っといてそしたら横からあーだこーだ口出してきて。あんた言ってること矛盾してねーか?」
「それは…」
ユッキーは口ごもった。
「あれだろ?担任の見栄だろ?担任としての体裁からそういうことしてるんでしょ?」
「違う!」
守が喋り終わる前に反発したユッキー。
「それは違う。私は本当に君のことが心配だから…」
「…」
二人の間に沈黙が流れる。
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