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学校に着いて、クラスメート40人分の机が並べられている教室内へと足を踏み入れる。
この教室は三階にあって、窓の外を見渡せば、グラウンドや家々が目について、結構見晴らしがいい。
そして俺の席はといえば、一番後ろの、六列あるうちの廊下側から二番目。
克の席はと言うと……。
「おはよー、真也!」
「おはよ」
俺の左隣。
克いわく、この席はベストポジションらしい。
理由一つ目は、俺が右隣の席にいるから。
もう一つは、授業中居眠りしててもばれにくいから、だそうだ。
「なあ真也! 昨日のお笑い番組見た?」
「芸人で誰が一番面白いかを競うやつ?」
鞄を机の横にかけ、席へと座ったまま、二人、向かい合う形で会話を続けた。
「そう、それ」
「見たよ」
「誰が一番面白かった?」
「んー、俺は優勝したコンビよりも、準優勝したコンビの方が面白かったな」
「おっ、さすが真也!
俺もそう思ったんだよなぁ~。
あと最初のコンビも面白くなかった?」
「うん、あれもよかったな。
なんかあのコンビは……」
克とは、好みがよくかぶる。
食べ物の好みもよく合うし、好きなスポーツや漫画などのジャンルもかなり似てる。
この前なんか、その日一日分の休み時間が丸々、好きなテレビ番組の話についてで終わった。
そして今も、昨夜見た番組の話で盛り上がったまま、チャイムが鳴り響いた。
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