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ジュースを取るために屈み込みながら克の方に視線をやれば、克は、おいしいよなぁ~、なっちゃん、なんて言って……俺に話しかけてるのか?
それとも独り言?
「あとでちょっとちょうだいね」
まだ少ししか話したことのない俺に、そんなことを言うのかと思ったが、
「ああ、いいよ」
自然とその言葉が口から飛び出していた。
性格を含めての印象は────変な奴。
だけど約束通りなっちゃんを一口あげて。
そのあと克と、まるで高校生になる以前からの友達であるかのように親しく話すあたり……俺もその変な奴なんじゃないかと思えてきた。
このへんてこな話が、俺と克の出会い。
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