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そこから幾許か離れた場所で、その声を聞いた数人の影。 一人が声を上げる。 「親分、あちらですぜ!」 声の方に指を向ける。親分と呼ばれた影は、その方向へ駆け出した。後を追う、残りの影。 目的の場所に辿り着くと、叫び声の主は横たわっていた。辺りには臓物が無惨に散っている。 「ちッ、遅かッたか。別嬪もこうなッちまったらしめェだな」 さして残念そうでもなく呟く影。親分と呼ばれた影のようだ。更に続ける。 「そう遠くにゃ行ッてねェだろ、探せ」
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