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盗賊の占拠からしばらく、僕はルシアの部屋にいた。
「僕達どのくらい閉じ込められるんだろう。」
僕が呟くと。
「大丈夫です。きっとすぐに出られますよ。」
と笑顔で言った。
「そう、だな。」
胸がスーっとした。
決めた!
「僕盗賊のお頭と話しをしてくるよ。」
僕がそう言って部屋を出ようとした時。
《コンコン》
誰かが訪ねてきた。
「はい。」とルシアが返事をすると、
「お邪魔しま~す。」
現れたのはクラウンだった。
「何の用ですか?」
ルシアはつっかかるように言う。
「冷たいなぁ。遊ぼうよ。」
「あなたと遊ぶ事なんて何ひとつありません。」
ルシアは言った。
「おいおいひでーなー俺の扱いは。そこのにーちゃんには優しいのにさ。」
ちらっとこっちを見ながら言った。
「幸助さんはあなたとは違います。」
「そんなにこれがいいのか? 俺の方が100倍いいぜ!金もある!権力もある!顔もいい!どこがこいつに劣るって言うんだ?」
クラウンは手を広げながら言った。
「その考え方自体すでに幸助さんに劣っています。負けています。」
その言葉でクラウンが怒った。
「おいクソガキ!俺と勝負しろ!それで負けた方がルシアちゃんを諦めろ!いいな?!」
「はぃ?!」
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