プロローグというタイトルの初期設定

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プロローグというタイトルの初期設定

「…システムを起動します」 合成音声を響かせながら、白い服を着た女性が瞼を開ける。灰色の壁からは色とりどりのコードが生え、簡素な鉄のドアが設置してある。床は魔方陣を隠すかのように、様々な工具類や金属片が散らばっていた。 「お、気がついた」 突然、中学生のブレザーを着た少年が現れ、話しかけてきた。 「…貴方は誰ですか?」 特に驚かず、無表情で素朴な疑問を言う。 「僕の名前?呼び方は色々あるけど、自分ではこう名乗ってるよ。ロード・オブ・メシアと。メシアって呼んでね」 ニッコリと微笑むメシア。 「…メシア様ですか、了解しました」 お辞儀し、更に問う。 「…失礼ですが、私の名前を教えて下さいませんか?」 「いいよ。君の名前はヴェルツ・エクスマキナって言う事になったんだ」 「…何方かと話し合われたのですか?」 「ああ、そこから説明しないと駄目か。君を造り上げた柱達を紹介するよ。着いてきて」 メシアがドアを開け、廊下に出る。 ヴェルツは身体に付いたコード類を引き千切り、別の部屋にある機械のAIを遠隔操作し、警報音を止める。 ゆっくりと第一歩を踏み出し、床に散乱した工具等を踏まないようにドアへ向かう。
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