天つ神、歓喜咲楽

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高天原に戻った四人はその足でアマテラスの元へ向かった。 スサノオ達の動向の全てを月読みの鏡で見ていたというツクヨミも、アマテラスの部屋で四人の帰りを待っていた。 スサノオはアマテラスの前に跪づき、天叢雲の剣をアマテラスへと献上した。 恭しくアマテラスはそれを受け取る。 「姉上、全てをここで見ていたんだろう。中つ国に下る前に交わした誓約(うけい)を果たせたのかどうか、判断してほしい」 跪づいたままスサノオは真っ直ぐにアマテラスの顔を見つめた。 部屋の隅で黙って控えていたクシナダも、アマテラスがどのような判断を下すのかと息をつめてその様子を見守る。 アマテラスはそんなスサノオの姿を見て、ふっと柔らかい笑みを浮かべた。 「先程、根の国の母上からお前に伝言があったわ。黄泉の実と、黄泉返りの実の数が足りないけど、どういうことかと」 ギクリとスサノオの体が揺れ、途端にその表情が苦々しくひきつった。 クシナダの横に佇んでいたタジカラも嘆息して手で目元を覆った。 スサノオは今回クシナダの為に数々の禁忌を犯している。 もしそのせいで誓約が無効になり、永遠に高天原を追放されることになったら、自分はどのようにスサノオに報いればいいのか…… ハラハラしながら胸の前で手を握り、クシナダはじっとアマテラスの美しい横顔を見つめた。  
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