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「な、何よ、あんたこそ女性関係乱れてんじゃないの」
「………あ?」
「あんた起きた時に『あのアマ』って呟いてたじゃない。どうせあっちこっちの女に手出して、のっぴきならなくなって天界にいられないようなことになったんでしょ。それで下界に蹴り落とされたんじゃないの」
次はスサノオが顔色を変える番だった。
頼りない明かりの中でも、色が白いので顔が紅潮していくのがよくわかる。
それを見てクシナダはふふんと笑った。
「あーら、図星かしら?」
「ふざっけんなっ!そんなくだらないことで下界に落とされる訳ないだろっ!」
「じゃあなんであんな所に倒れてたの」
「うっ…うるさい!」
スサノオはクシナダの腕を掴んで立たせ、そのままポイッと部屋の外につまみ出した。
「俺は疲れてるんだ!もう寝る!」
そう言い放ち、ピシャッと戸を閉めてしまった。
クシナダは戸の前で立ちすくみ、しばらくは閉められた戸を呆然と見つめていた。
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