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「隆弘.....?」
顔を上げると栄斗が俺の顔を心配そうに見ていた。
周りを見渡すと黒い服に身を包んだ人が泣いていた。
「ここは?」
ちょっとためらうように
「お葬式や。円華ちゃんの」
と栄斗が言った。
「そうか」
涙が出なかった。
なんで悲しいのに涙は出ないのだろう?
心はこんなにも泣いているのに。
せっかく両想いだって分かったのに
あの日伝えるはずだった、「ありがとう」も言えないまま。
神様.....あなたは残酷です。
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