最後のコトバ

8/8
前へ
/44ページ
次へ
「隆弘.....?」 顔を上げると栄斗が俺の顔を心配そうに見ていた。 周りを見渡すと黒い服に身を包んだ人が泣いていた。 「ここは?」 ちょっとためらうように 「お葬式や。円華ちゃんの」 と栄斗が言った。 「そうか」 涙が出なかった。 なんで悲しいのに涙は出ないのだろう? 心はこんなにも泣いているのに。 せっかく両想いだって分かったのに あの日伝えるはずだった、「ありがとう」も言えないまま。 神様.....あなたは残酷です。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

154人が本棚に入れています
本棚に追加