奴
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玄関から出ていく奴 三年間一緒に暮らした私のマンションから 奴が出ていく 帽子を深くかぶった奴の頬が涙で濡れていた 「ほら、忘れ物。二度と私の前に現れるなよ」 私はゴミのように丸まった手紙を投げつけた それを拾うと奴は 「ゴメンな」 そう呟いて玄関からでていった ドアが静かに音をたてて閉まった
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