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「似合うよ。」
「ありがとう。どうしよう。嬉しすぎて…。」
「ほら、もう泣くなって。主役がそんな顔をしてて、どうするんだ。」
雅は肩を抱いて、頭を撫でてくれる。
ただの引っ越しパーティーのつもりが、こんなサプライズが用意されてるなんて。
「蜜葉ちゃん、おめでとう。結婚式の髪のセット出来るように、私すごく頑張るからね!」
「ありがとう。楽しみにしてるね。」
「蜜葉が結婚か。ちゃんと式には呼んでよ?」
「当たり前だよ。有希も隆也さんと幸せになってね。」
「俺らも、負けらんねーな。」
「じゃあ、真子にこれ買ってあげられるくらい頑張って働かなきゃね。」
「蜜葉、おめでとう。本当に良かったね。」
「ありがとう、お姉ちゃん。」
「サプライズは大成功だね。おめでとう、蜜葉ちゃん。」
「ありがとうございます。あの、サプライズって?」
これは雅と猛さん夫婦によって練られたサプライズ。
婚約考えていた雅に話を聞き、この引っ越しパーティーでの発表を思いついたそうで。
こっそりクラッカーを持ち込み、私が見ていないところでみんなに配っていたのだ。
そして私は隠してあった花束を、香織さんから受け取った。
サプライズは大成功。
私はきっと、一生この日のことを忘れないだろう。
みんなに祝福されるなか、左手に輝くこの指輪をもらった日のことを。
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