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「ちょっと、美砂まだなの!」
「もうちょっとだから、焦らさないでよ有希ちゃん。」
「まだ時間あるから、落ち着いてやって。」
あのプロポーズから1年。
私は社会人となり、食品加工会社に勤めて半年ほど。
仕事にも慣れてきて、職場に友達もできた。
現在、9月上旬の土曜日。
今日は私たちの結婚式だ。
本当は10月にしようとしてたんだけど、雅の仕事は10月から大忙し。
9月の初めならまだそこまで多忙ではないため、式は9月に。
今朝1番に役所に行き、婚姻届も提出。
私は『青戸蜜葉』になったのだ。
「出来た!蜜葉ちゃん、どう?」
「うん、素敵。ありがとう、美砂。」
「約束だもん。有希ちゃんの結婚式も、頑張るからね。」
「はいはい。楽しみにしてるよ。こんだけ出来るようになったんだもんね。」
美容院に勤めて1年半。
美砂はいっぱい勉強して、今日私の髪を綺麗にセットしてくれた。
あのプロポーズの日のメンバーは、今日全員出席することが出来た。
全員集まるのはあの日以来。
コンコンッ
「どうぞ。」
ドアを開けたのは真子。
「蜜葉、綺麗じゃん。」
「ありがとう。」
「ちょっと、ここ男子立入禁止。むこうで待ってて。」
「えぇ~。」
「あとで会えるんだし、ほら行くぞ。」
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