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真子がドアの外に顔を出し、拓馬とノブを追い払った。
声しか聞こえなかったけど、渋る拓馬をノブが連れていったようだ。
「別に、入ってもらってもよかったのに。」
「花婿よりあいつらが先に見ちゃダメでしょ。」
「このドレス着たところは、見たことあるんだけどね。」
「試着で着たのと、今じゃ違うでしょ…。」
コンコンッ
「どうぞ。」
今度はお姉ちゃんと両親が入ってきた。
「あ、じゃあ私たちは会場行ってるね。」
親が入って来たので気をつかったのか、3人は部屋を出ていった。
「蜜葉、綺麗だよ。結婚式っていいね。」
「お姉ちゃんも、やったらいいじゃない。」
「今さら?」
「ドレス着て写真撮るだけでもさ。絶対やった方がいいよ。」
できちゃった婚で、駆け落ちしたため結婚式をしていないお姉ちゃん。
そんなお姉ちゃんに、ドレスを着ることを勧めた。
きっとお父さんやお母さんも、お姉ちゃんのドレス姿みたいだろうし。
私の今の姿を見て、こんなに喜んでいてくれるんだから。
時間になり、お母さんとお姉ちゃんは会場に。
私とお父さんは、チャペルの扉の外で待機。
「娘が2人とも、こんなに早く嫁ぐなんてな…。」
「ちょっと、お父さん。今から泣かないでよ。」
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