未来へ

4/4
508人が本棚に入れています
本棚に追加
/463ページ
声が震え、今にも泣いてしまいそうな父を心配する。 「雅は次男だからいずれ同居しても構わない的なこと言ってたし、お姉ちゃんだって近くに住もうとか考えてるんだから。寂しくないでしょ?」 「もう、そんなことまで…。」 なんか、余計泣きそうにしてしまった…。 私はお父さんの手をとった。 「さ、お父さん行こう。おめでたい日なんだから、笑って。」 お父さんは黙って頷き、笑った。 チャペルの扉が開き、お父さんにエスコートされ祭壇にいる雅のもとへゆっくりと歩く。 真っ白なタキシードを身に纏った雅。 ドレスアップした私の姿を見て、優しく微笑む。 「すごく綺麗だよ。」 私はその言葉に、照れ笑いした。 近いの言葉を述べ、お互いの指に指輪をはめて、近いのキスをした。 雅のエスコートでチャペルを出ると、外で待っていた出席者からライスシャワーを受ける。 そして独身女性って、出席者の女性の半分は独身なんですが。 その独身女性を集めて、ブーケトス。 みんなに背を向けて、空高くに投げた。 この幸せが、次に誰かのもとに届くように。 雅と固く握りあった手。 死が2人を別つまで、私はこの人の隣でこうして笑っていたい。 end
/463ページ

最初のコメントを投稿しよう!