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声が震え、今にも泣いてしまいそうな父を心配する。
「雅は次男だからいずれ同居しても構わない的なこと言ってたし、お姉ちゃんだって近くに住もうとか考えてるんだから。寂しくないでしょ?」
「もう、そんなことまで…。」
なんか、余計泣きそうにしてしまった…。
私はお父さんの手をとった。
「さ、お父さん行こう。おめでたい日なんだから、笑って。」
お父さんは黙って頷き、笑った。
チャペルの扉が開き、お父さんにエスコートされ祭壇にいる雅のもとへゆっくりと歩く。
真っ白なタキシードを身に纏った雅。
ドレスアップした私の姿を見て、優しく微笑む。
「すごく綺麗だよ。」
私はその言葉に、照れ笑いした。
近いの言葉を述べ、お互いの指に指輪をはめて、近いのキスをした。
雅のエスコートでチャペルを出ると、外で待っていた出席者からライスシャワーを受ける。
そして独身女性って、出席者の女性の半分は独身なんですが。
その独身女性を集めて、ブーケトス。
みんなに背を向けて、空高くに投げた。
この幸せが、次に誰かのもとに届くように。
雅と固く握りあった手。
死が2人を別つまで、私はこの人の隣でこうして笑っていたい。
end
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