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放課後になった。
3時になった天乃原町の空はどんより曇っていた。
「隆一、今日これからどうする?」
剛士が帰る用意をしながら聞く。
「どうするって部活だけど?」
隆一が奇妙に思いながらこたえた。
「なんだ、お前サボるのか?」
「違う!うちの部活今日顧問がいなくて部活が出来ないんだ…」
剛士が悔しそうに言った。
「そっかぁ」
「あぁ、だから今日商店街行こっかなと思って」
剛士が考えながら言った。
「なんで?」
「ほら、今日母の日じゃん?だから花ぐらい買ってこうかな~と思って」
剛士がちょっと紅くなりながら言った。
「そっか忘れてた」
隆一がたいして興味なさそうに言った。
「じゃあな。俺部活あるから」
隆一は教室のドアのところでずっと待っていた三宅と部活に行った。三宅は隆一と同じ野球部で外野をしている。このクラスには野球部が隆一と三宅しかいないため二人はよくいっしょにいた。
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