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日本の真ん中より西にある町‘天乃原町’
そこの天乃原第一中学校に本郷剛士は通っていた。
今は春の半ば、桜の散ってしまった五月の初め。
剛士は中学三年。黒い髪で体はがっちりしている。
「オーイ、剛士待てよー!」
「なんだよ、早くしないと学校遅れるぞ」
「べつにいいけど、学校なんてめんどいだけだしっ!」
むこうから一人の生徒が走って来る。髪は茶髪。剛士の同級生の西岡隆一だ。
「俺は部活があって急いでるんだ!」
剛士は少し怒りながら言った。
「俺だって部活あるさ!だから急いでるんだ!」
「さっきまでのんびりしてただろ!」
「朝練忘れてたんだ!」
剛士は呆れてしまった。
二人はほかの生徒を追い越し学校まで走って行く。
剛士は柔道部の主将をしている。今年は優勝目指してみんな気合いが入りまくっているので主将は遅刻できない。
隆一は野球部に入っている。中学から始めたのだがみるみる上達してレギュラーの座を勝ち取った。今ではショートとしてチームになくてはならない存在となった。
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