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「あの人の弟子になって最後まで技術を修得できた人は数える程しかいませんよ。大抵は逃げ出すか、追い出されるかですよ」
紫月はそういって肩を竦める。
「なるほど、それでクリスは逃げたわけか」
紫月は頷く。
「中途半端に技術を身につけて自己満足で姿を消しました」
「そんな奴を放っておいていいのかね?」
女王は微笑を浮かべながら紫月に問い掛ける。
「非常に不本意ですが……わかりましたよ。師匠の名を汚されたくは無いので。はめられた気がしますが」
「人聞きの悪い、ただの偶然だよ」
女王は微笑を浮かべたまま紫月を見つめる。
(……本当に相変わらずだな)
紫月はため息をつくしかなかった。
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