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「お前は何者だ?」
油断なく構えた剣は紫月の顔に向けられている。
「鍛冶師ですが?」
その言葉に女性の眉がぴくりと動いた。
「名前は?」
「紫月刀慈」
名前を言った途端に女性の目付きが更に鋭くなる。
「紫月刀慈だと? ふざけているのか? お前のような……」
「男があの紫月刀慈な訳が無い……ですか?」
刀慈は女性の言葉を遮り自重気味にそう問い掛ける。言葉が当たっていたのか女性は目を見開く。
「残念ながらこんな男が紫月刀慈なんですよ」
刀慈は申し訳無さそうに頭を掻く。
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