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「……甘い」
刀慈は駆け出していた。
力の抜けた女性の背後には血を流しながらも立ち上がっている賊の姿があった。気付き咄嗟に剣で受け止めようとするが鈍い音が響いた。
「なっ!」
なんとか受け流せたものの剣が折れてしまった。
瞬間、思い出すのはあの言葉
『3回』
受けとめた2回と斬った1回、剣の耐久力の限界、刀慈はこの事を言っていたのだ。
今さらわかったところで遅すぎた。
呆然とする女に向かって賊は再び斧を振るう。
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