始まりは朝靄の中で

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「ちょっと寄り道するよ」 軍人に話し掛けると紫月は一軒の民家をノックした。 「はいどなたですか?」 扉の向こうから若い男の声が聞こえてくる。 「ルーか? 紫月だ。頼まれてたもん持ってきたんだ」 言った瞬間、扉が勢い良く開いた。 「ホントに! ありがとう紫月くん!」 差し出された小包みを受け取るとルーは嬉しそうに飛び跳ねた。 「ついでにこの鍬をじいさんに渡してくれるか? ちょっと家を空けないといけないんだ家の管理も頼むよ」 「いいよ、任せといて。じゃあ僕は早速試してくるよ」 小包みを大切そうに抱えると家を飛び出した。
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