序章 崩壊する日常

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ポケットにつっこんでいた折り畳み式の携帯を取り出してみる。 圏外。この二文字が液晶の画面に表示されていた…。 「停電だけじゃなく電波障害もかよ…」 後頭部をボリボリとかきながら、部屋のベッドへと寝転んだ。 窓から差し込む青い月明かりの下ですることも無く、ただボーッと天井を眺めていた。 そんな俺の頭の上を、雀くらいのサイズの何かが通過していった。 「顔ぶつけた、いたーい…」 「ちょっと、何でこんな所に入り込むのよイクスのバカ!!」 雀くらいの何かが部屋の壁にぶつかり、一匹は涙声でもう一匹は声を荒げて騒ぎ始めた。 ベッドから身を起こし、騒いでいる声の方へと目を向けるとそこにいたのは2体の人形だった…。 一体は綺麗なロングストレートヘアーと優しそうな垂れ目で、髪と目の色は柔らかな新緑を思わせる緑色。 服装は白のワンピースの下に緑の半袖、靴は茶色の革製ブーツをはいている。 もう一体は長めのツインテールで、少しつり上がった目。髪と目の色は鮮やかなオレンジ色。 服装は髪を黒のリボンで纏めて、フリルのついた黒いロングドレスと靴は編み上げブーツ。
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