さすらいの絵師

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僕は今、道を歩いている。 どこまでも続くこの道は、まるで『人の一生』かの如く続いている。 「そんな風に思うのは、僕だけなのだ…」 僕は旅人だ。 別に、人生に迷った訳じゃない。 かと言って、全てを捨てた人間でもない。 僕は『絵を描く』ために旅人になっている。 いわゆる…… 『さすらいの絵師』とでも言っておこう。 僕の名は、野丸(ノマル)。 この名が、名字なのか名前なのかは当の昔に忘れたが、今はそう言う名である。 カバンの中には、スケッチブック4~5冊と鉛筆が1ダース、それに水彩道具一式と必要最低限のモノが入っている。
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