30人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
ガリガリッ、音が響いた。
教室の中には実と優と綱がいた。
「こんなことしていいの?」
実の行動に綱が尋ねた。
「いいだろ。記念、記念~」
「……ガキか馬鹿」
「いいだろ!」
「怒鳴るな、静かにしろ。誰かくるだろ」
「~~~ッ!」
相変わらず、実と優は喧嘩する。
そんな現状に慣れている綱は、実が何やら書いていた所を見つめる。
「“中二最高”……何コレ?」
「そのまんまの意味」
椅子の裏に削って書いた言葉。
実は笑顔で言った。
「皆で卒業……しような――」
窓から照らし出されるオレンジ色の日が、椅子に書かれた文字を照らしていた――。
.
最初のコメントを投稿しよう!