プロローグ

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   ガリガリッ、音が響いた。  教室の中には実と優と綱がいた。 「こんなことしていいの?」  実の行動に綱が尋ねた。 「いいだろ。記念、記念~」 「……ガキか馬鹿」 「いいだろ!」 「怒鳴るな、静かにしろ。誰かくるだろ」 「~~~ッ!」  相変わらず、実と優は喧嘩する。  そんな現状に慣れている綱は、実が何やら書いていた所を見つめる。 「“中二最高”……何コレ?」 「そのまんまの意味」  椅子の裏に削って書いた言葉。  実は笑顔で言った。 「皆で卒業……しような――」  窓から照らし出されるオレンジ色の日が、椅子に書かれた文字を照らしていた――。 .
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