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ICUの中、静かだった。 機械の音が生命がある証のようでその音が全てのような気がした。 一番手前のベッドに愛紅は横たわっていた。 口には酸素マスク。 頭は包帯がぐるぐる巻き。 細い腕にはたくさんの点滴。 足元にはチューブ。 「愛紅?」 揺すってみた。 反応がない。 少し強めにゆする。 「愛紅!?愛紅!!」 愛紅の顔に俺の涙が落ちた。 どうして、愛紅なんだよ! 看護師さんに止められた。 それでも辞めなかった。 お前ら、人の命救うのが仕事だろ!! 俺なんかほっといて早く愛紅の目、覚まさせてくれよ!!
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