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『昨日、鬼が出たそうだぞ』
『今日は院へ参るだろう』
『只今はどこそこに』
「騒がしいな、また根も葉もない噂か…
鬼なんて居るわけないのに…」
ガタッ
「何のお…と?」
後ろを向くと見知らぬ少年が立っていた。
「だ、誰?」
見たことのない肌色、髪の色…
ここら辺りの人ではなそうだ。
「こんにちは、あなたが小野妹子さんですね。僕は…」
よく見ると少年の頭には…
「お…」
「お?」
「鬼が出たあああああ!!!」
角があった
「誰か来てく…もがっ」
「何叫んでるんですか!!ああもう、足音が!」
ダッダッダッ
ガラッ
「妹子殿!どうなさいましたか!?
…はて?妹子殿?
いらっしゃらない…?」
(んんー!)
(静かにしてください!)
とっさに物置に押し込められた。
「おかしいな…では、失礼します」
ガラガラ…カタン
「はんへ…ぷはっ!何で僕まで…」
「だってあなたが僕のことを喋ってしまったら、意味ないじゃないですか!」
「そりゃあそうだけど…」
「…とりあえず、出ましょうか」
「あ、はい」
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